神は存在するか?宗教vs科学の法廷BEEF(後編)
かつてアメリカで「神の不在」を争った裁判があった。
宗教VS科学、白熱の法廷BEEFの記録。
3.天動説の罠
天動説について記された1550年の文献 – Wikipediaより
ヨシュアが太陽を静止させたことを信じていますか?
聖書に書かれていることを信じます。あなたは「地球を静止させた」という意味でおっしゃっているんですか?
ブライアンはこの時、ダロウの罠を察知したに違いない(多分)。そして、ダロウの言葉の意味するところを聞き返しました。なぜなら、ヨシュアが太陽を「静止させた」ことを認めてしまったら、逆にいうと太陽が本来は「動いていた」ことを認めてしまう、すなわち天動説を認めたことになってしまうからです。なんぼなんでも、3世紀も昔に否定されてる天動説を今日び信じてるとか認めてしまうなんて、さすがのブライアンの味方ですら赤面してしまうような非常識。
だからブライアンは、「太陽を静止させた」とは、地球から見て太陽の動きが止まったように見えた、つまり「地球を静止させた」という意味で言っているのかとダロウに問うたわけですね。しかし、ダロウは素っ気ない。
知りませんよ。私は今、聖書の話をしているんです。
私は聖書を完全に受け入れます。
おや、ということは、
太陽が地球の周りを回っていたんですか?
太陽が地球の周りを回っていたんですか?
いや、だからほらブライアン。
惜しかったね。明らかに一回落とし穴察知して立ち止まったんだけどね。これ一歩進んだらもう絶対落ちるって解ってたのに、直進しかさせてくれないんだもんね。そう、ぶっちゃけ聖書を擁護するのは圧倒的に不利。しかし、こんな攻撃を何度か食らったブライアンは、このあと新たな策に出ます。